2017年を振り返って思うこと

先日、金融機関のキャッシュコーナーを利用していたお年寄りの方の機械が、けたたましい警告音を発しました。お年の方は、一瞬、何が起こったのかわからない状態でした。後ろにいた私が見ると、釣り銭の取り忘れのためでした。私が、教えてあげたら非常に感謝されていました。一つ一つは些細なことですが、今、あらゆる分野で高齢者の方が生きづらい環境におられるのではないでしょうか。まず金銭管理はどうされているのか。介護保険・医療保険・年金などの行政手続きをどうされているのか。さらに家事全般はどうなっているのか。身体状況は医療などとうまくつながっているのか。仕事柄、ついつい考えてしまいます。人間はみんな老いていきます。老いていくのを否定しているわけではありません。老いて一人きりの生活になったとしても、できる限りこれまでと同じように地域で暮らしていける環境や仕組みが不可欠だと思う訳です。これを保障するのが憲法第25条の精神のはずです。来年度予算の編成時期になって、社会保障の一連の削減案が政府から発表されています。今一度、基本的人権の一つ一つの意味や役割について具体的に実践的に学び直さなくてはならない時が来たのではないかと思います。

社会保障制度に北風が吹き始めた2017年ですが、何といっても我が法人が4月に産声を上げた記念すべき年でもあります。今後、この法人がどのような方向の道を歩んでいくのか。恐らく先述した社会状況に鋭い問題意識を持ち対峙しながら歩んでいくことになると思います。そのために何を準備し取り組まなくてはならないのか。これからも皆様のご支援ご指示をお待ちしております。皆様、いいお年をお迎えください。
(代表理事:五百木孝行)

12月 31, 2017