抜け殻同然、されど憲法かな
１９４７（昭和２２）年５月３日に施行されて７７年目の日本国憲法。最近は無きに等しいような扱いを受けて本当に存在性を無視されているように思います。まさしく抜け殻も同然のようです。しかし私は、社会福祉士試験の受験科目の「権利擁護を支える法制度」（旧カリでは「権利擁護と成年後見制度」）を１２年間担当している講師の端くれの一人として一言いいたいです。特に権利擁護の分野は、憲法の基本的人権の諸規定があるからこそ成り立つものです。「基本的人権なんかいらない」と言っている不勉強な国会議員がいるみたいですが、未熟なあなたにも被選挙権という参政権があるから国会議員になれているわけです。高額な歳費に見合うような「成長」をしてください。憲法は優しいです。学校では憲法の３つの原則を学びました。第一は、国民主権、第二は平和主義（戦争放棄）、第三は基本的人権です。条文は全１０３条なので直ぐに一読できます。普通の社会的常識をお持ちの方なら、現在の政治や行政がいかに憲法の規定から真逆なことをしているかがわかると思います。条文は一字も改正されていませんが、実際の政治行政は、あたかも憲法がないかのような「愚政」です。しかし、私は、ここまで憲法破壊の「愚政」があるかもしれませんが、憲法が厳然として存在していることは事実で無視できない証左なわけです。第１０章の最高法規の第９９条（憲法尊重擁護の義務）に基づき、憲法が規定する政治・行政を行うことを具体的に要求していくことを諦めないことです。憲法は最高かなです。(文責：代表理事 五百木孝行)